古文書1-2 文政の太鼓

                             

 

「古文書1-1天明の太鼓」で太鼓の事を書きましたが、その天明六年(1786)に買われたと思われる太鼓が伊冨利部神社にあります。

いかにも古そうな太鼓ですがよく見ても時代を特定出来るものはなく古文書の太鼓だと言う確証がありません。

 

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津島市に太鼓屋さんがあります。この太鼓屋さんは900年以上続いた老舗です。ひょっとしておもしろい話が聞けないかと思い訪ねて行き太鼓を見て貰いました。

太鼓屋さんによれば外見だけでは天明時代の物かどうかは判断出来ない。特に胴のところに漆が塗ってあるが本当の良い太鼓には塗ってないと言われました。皮はよく張り替えることがあり、胴も修理の時に漆を塗る事があるそうです。

太鼓は胴の内側に製作のなれそめが書かれている事が多いですがこの太鼓は今でもいい音がなります。中を見てみたいのですが皮は一度剥がしていまうとまた元のように復元するのは出来ないと言う事なので残念です。

この太鼓を調べていた時ふと思い当たる事があり探してみましたらもう一つの太鼓が出て来ました。太鼓の内側には製作された時のなれそめが書かれていました。文政元年(1818)尾州海東郡津嶋中野とあります。今回お訪ねした太鼓屋さんも今は国道155号線沿いにありますが以前は津島市中野町にあったそうです。

                 


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この太鼓は平成十三年(2001)に新しい太鼓が作られるまで神社の神事に使われていました。新しい太鼓が出来てから古い太鼓はお蔵入りしていました。

 下の写真は現在使われている太鼓です。 

                  

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